〜“泣きたくないから”鬼になったのだろう?〜

マミ(美樹さん。世界にはあまたの不死の化物達がいるわ)

マミ(彼らを見ると私は思うの。彼らは本当に不死を望んで存在するのか)

マミ(彼らの多くは闘争を望む。血みどろの戦いを。それはもはや嗚咽や渇望に近いわ)

マミ(それは彼らが戦闘戦斗を望むのではなく、死を望む絶叫なのよ)

マミ(彼岸の魔女、悪魔、時の迷い子。
彼女は幾年月を超えてきたんでしょう。
幾千幾万の絶望を見てきたんでしょう。
でももう彼女には何も無い。居場所も世界も仲間も。思い人の心も、彼女自身の心も。
何から何まで消えてなくなり、真っ平らになるまで歩き歩き歩き続ける幽鬼)

マミ(私にはね、美樹さん。あの恐ろしい不死身の化物が、ひどく哀れな、哀れな弱々しく泣き伏せる童に見えるの)

戻る