〜第41話 スケスケウエスト〜
さて、今日は、ブラッチャーの基地から物語を始めよう。(C.V.正宗一成)
ファイター「やった! 出来た、出来たぞ!」
ファイター「はっはっは、やっぱりオレって大天才!」
ウッカリー「ファイター、何はしゃいでるの?」
ドジラス「何が出来たって?」
ファイター「ふふふ、これは私の新発明。名付けて『クリスタルアーマー生成装置』だ」
一同「クリスタルアーマーぁ?」
ファイター「これを使えば、私達の外部装甲をクリスタル状にする事が出来る。
そうする事で、ヒカリアン達の光エネルギーを使った必殺技をすり抜けさせたり、反射させる事が出来るようになる、という訳だ」
ブラック「ほっほう、そらすんごいなぁ」
ファイター「あとは最終テストを残すのみだ。さぁ、さっそく始めるとするか」
〜場面転換〜
ウエスト「フフフフ〜ン、フン、フン、フ〜ン♪ フフフフ〜ン♪」
ウエスト「ん?」
ウエスト「あれはブラッチャー達……」 ドジラス「ここはやっぱり親分がいいでしょ」 ウエスト「ブラッチャー!」 ウエスト「また悪い事を企んでるな!」 ファイター「ちっ、こんな時に……」 ファイター「まぁ、いい。まずはウエストを片付けるとするか」 ブラック「それっ、暗黒マシンガン!」 ファイター「隙あり!」 ガシャン! ウエスト「え、なにここ!?」 ビリビリビリビリ…… チュドォォォォォォォォォォォォォォォォン! ウエスト「ケホッ、ケホッ、一体何が……」 ウエスト「あらら、みんなノビちゃってる。しょうがない、一回お店に戻るか……」 ウエスト「ただいま〜。いやぁ、途中でブラッチャーの悪だくみに遭遇して、遅くなっちゃった」 ウエスト「? どうしたの、ディケイド、サンダークラッカー。変な物見るような目で、ボクの方見て……」 サンクラ「ウエスト、スタースクリームごっこか……?」 ウエスト「へっぎゃ――――っ!」 ウエスト「ななな、なにこれ!? ボクの身体が、幽霊みたいに透き通って……」 ウエスト「どーしよ二人とも!? 何とかして――っ!」 アカサカ「おいおい、何休憩所で騒いでるんだ……って」 アカサカ「ウエスト、スタースクリームごっこか?」 アカサカ「成程ね。ブラッチャーの作戦を阻止しようとして、んで、何かの装置の爆発に巻き込まれて、気が付いたらこうなってた、と」 ジリリリリリ……ジリリリリリ…… ノックアウト「はい、ノックアウトクリニックです。ああ、これはこれはワルズ殿下。ああ、昨日手術したデラツエイガーさんね。 ウォーブレ「おーい、ノックアウトー!」 ノックアウト「ふぅむ、私の見立てでは……」 ノックアウト「彼の全身がクリスタルになっていますね」 アカサカ「元に戻す方法は無いのかって言ってんの! 元に戻す方法!」 ノックアウト「えー、彼を元に戻す方法ですが、それは……」 ノックアウト「メディックノックアウト、トランスフォ〜ンム!」 ノックアウト「アッデュ〜!」 ブロロロロロロ…… トボ、トボ…… ドクター「すまない。私にも戻し方がさっぱり分からないんだ。どうやらブラッチャー独特の技術が使われているみたいで……少し、時間をくれ」 ブラック「ぬわっははははは! 見つけたぞウエスト!」 ウエスト「ブラッチャー!」 ブラック「ウエスト、ここで会ったが百人目!」 ファイター「それはともかく、いい事を教えてやろう、ウエスト。お前のその身体は、私が発明したクリスタルアーマーによるものだ」 ファイター「光エネルギーがボディ内部に抑え込まれて、必殺技を使う事も、飛ぶことも出来なくなるのさ」 ブラック「つまり、今がお前をケチョンケチョンにやっつける絶好のチャンスという訳なのだ! 日頃の怨みじゃ、覚悟せい!」 ブラック「それ、暗黒マシンガン!」 ウッカリー「なんか親分、いつも以上にやる気満々だね」 ブラック「それそれ! ぬわっははははは! 愉快愉快!」 アカサカ「ウエストー!」 ウエスト「店長、サンダークラッカー……」 サンクラ「トランスフォーム!」 アカサカ「これを使え!」 パシッ! ウエスト「これは……」 ピカッ! ファイター「な、何だ!?」 ウエスト「これは……?」 ファイター「一体何が起こったのだ? 奴の身体が……」 ドジラス「ピカピカに光ってる」 ブラック「何をこしゃくなあみだくじ! ピカピカになったって、一年生には負けるのだ! ウエスト、覚悟!」 ウエスト「なにこれ、全身に力がみなぎってくる!」 ブラック「とぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 ウエスト「バードソード!」 ウエスト「ライトニングバード・スーパー!」 ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァァン! ウエスト「今日は店長のおかげで助かったよ。本当に有難う」 〜♪ 〜♪ ピッ ?「構わん。だが、あくまで今回は『お前の所の従業員』を助けただけ、という事を忘れるなよ」 アカサカ「ともかく、今回はありがとさん。それじゃあ、また」 ウエスト「店長、誰だったの?」 アカサカ「ああ〜、それはやめておいた方がいいと思うぞ、うん……」 ファイター「やれやれ、あなたも全くお人が悪い。ヒカリアンに塩を送るとは、ね」 シルバー「だから言っただろう。今回はあくまで、『アカサカの所の従業員』を手助けしてやっただけだ。それはお前も分かっておろう?」 シルバー「それはともかく、引き続きブラックエクスプレス達の監督は頼むぞ。どうも最近、デストロンに対してきな臭い動きが発生しているのでな……」 戻る
ファイター「さて、さっそくテストだが、誰が試してくれるんだ?」
ウッカリー「うんうん」
ブラック「くぉら、お前達! そんな事言って、もし失敗したらどうなるのだ!」
ファイター「言い争ってないで早く決めてくれよ。別に失敗しても理論上はどうって事は無いんだから……」
一同「ん?」
ブラック「い〜い所に……じゃなかった。一人でやって来るとはいい度胸だ、ウエスト! 飛んで火にいるナツミカンとはお前の事なのだ!」
ドジ・ウカ「ナツミカン?」
ファイター「それを言うなら『夏の虫』……」
チキッ
ドウッ!
ウエスト「おっと!」
キキキュウン!
ウエスト「うわっ!」
ウエスト「いたっ!」
ファイター「あ」
ブラック「あ」
ウエスト「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ〜〜〜っ!」
〜場面転換〜
ディケイド「変な物も何も……」
ウエスト「え、なにそれ?」
ディケイド「自分の身体見てみろよ」
ウエスト「ボクの身体? 別に変わった事……」
ディケイド「気づいてなかったのかよ……」
サンクラ「何とかしてって言われても……なぁ」
ディケイド「ああ……」
ウエスト「うわぁぁぁぁん!」
ウエスト「……なんでみんな、決まってそう言うんだよぉ……」
〜場面転換〜
ウエスト「そう……」
アカサカ「う〜ん……取り敢えずここは、医者にでも見てもらうか」
ウエスト「医者?」
〜場面転換〜
うん。え? 死んだ? やっぱりねー、あれは私もちょっと自信無かったんですよねぇ……」
ノックアウト「あ、すみません。患者さんのようですので、また後程。では」
〜場面転換〜
アカサカ「んなこたぁ分かってんだよ!」
ノックアウト「まま、店長さん、落ち着いて……」
アカサカ「それは?」
アカサカ・ウエスト「…………」
アカサカ「……………………。逃げやがった! あのヤブ医者!」
〜場面転換〜
ウエスト「はぁ。ボク、一体どうなっちゃうんだろ……」
E4「最近のドクター、ヘナチョコ」
ドクター「…………」
ウエスト「!」
ファイター「……ブラック、『百年目』だ」
ウエスト「クリスタルアーマー!?」
ファイター「その通り。本来は私達ブラッチャーのボディをクリスタル状にして、お前達ヒカリアンの光エネルギーを使った必殺技を回避するための物なのだが……それをお前達に使えばどうなると思う?」
ウエスト「…………」
ウエスト「なんだって!?」
ドンッ!
ウエスト「うわっ!」
ブラック「それそれ、どんどん行くぞ!」
ファイター「よっぽど溜まってたんだろうな……」
ウエスト(ダメだ。このままじゃ、やられちゃう……!)
ウエスト「!?」
ゴガギギギ!
アカサカ「ウエスト!」
ヒュッ!
ウエスト「うわっ!」
ドジ・ウカ「眩しいよ〜っ!」
ウッカリー「きれい……」
カォォォォォォォォォォォォォッ!
ブラック「いっ!?」
ブラック「お後がよろしいようでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
〜場面転換〜
アカサカ「なに、気にすんな。たまたま解決法が見つかっただけだよ」
アカサカ「ん、電話みたいだ。悪いが、ちょっと失礼」
アカサカ「……もしもし、オレだ。……ああ、アンタの言った通りだったよ。無理言って悪かったな」
アカサカ「分かってるって。ところであのカプセルを使った時、ウエストの全身が光ってたんだが、ありゃ一体なんなんだ?」
?「おそらく、押さえつけられていた光エネルギーが一気に噴き出した、といった所だろう。特に問題は無いはずだ」
アカサカ「なるほどね」
ピッ
アカサカ「今日、お前を元に戻したカプセルをくれた奴」
ウエスト「ええ〜、ボクもお礼言いたかったなぁ……」
ウエスト「? 店長、何か言った?」
アカサカ「いや、何でも」
〜場面転換〜
ファイター「そりゃまぁ、そうですがね。一言おっしゃって頂けてもバチは当たらんでしょう」
シルバー「急の事だったからな。だが、おかげで良いデータが取れたというものだ」
ファイター「左様で」
ファイター「サイバトロンで?」
シルバー「いや、奴らではないだろう。それよりももっと、禍々しい“何か”だ……」
ファイター「…………」
〜おしまい〜