〜番外編第3話 紅葉狩りバスツアー in 佐賀〜

アカサカ「……と、いう訳でな」


アカサカ「今日はバスツアーで紅葉狩りだーっ!」

一同「おーっ!」


アカサカ「まずは九年庵だ。ここは、佐賀県神埼市にある数寄屋造りの邸宅及び日本庭園で、11月の紅葉の時期に9日間だけ一般公開されてるぞ」


ウエスト「うわぁ〜、人がいっぱいだねぇ……」

ディケイド「年に9日間だけ公開される場所だからな。それだけ『この機に』って奴が多いんだろう」


ハッピー「うわ〜、綺麗〜……♪」

杏子「ラッキーだったよな、今日晴れて。雨でも降ってたら最悪だったよ」

アカサカ「……管理人、基本的に雨男なのにな」


サンクラ「お、何か建物が見えてきたぞ」

アカサカ「これは佐賀県出身の実業家伊丹弥太郎の旧別邸で、久留米の作庭家である誓行寺の阿(ほとり)和尚により、1900年から9年の歳月をかけて築造されたことからこの名で呼ばれてるんだってさ」

インペラー「へ〜……」


アカサカ「茶室の跡だ。もともと九年庵ってのは大正9年に邸宅の西北に建築された茶室を指してたらしいが、現在は庭園を含めた全体の名称として使用されているんだと」


アカサカ「さて、九年庵を抜けたら、今度は仁比山神社だ」


アカサカ「仁比山神社は、正式名称は仁比山地蔵院(にいやまじぞういん)っていって、天台宗の寺院だ。
本尊は千手観音(千手千眼観世音菩薩)だぞ。
伝承によると天平元年、聖武天皇の勅願により行基(668年‐749年)が創建したとされてる。
かつて仁比山には三十六坊があり、それらを総称して仁比山護国寺と称したんだってさ。地蔵院は仁比山護国寺の塔頭・不動院の子院で、もとは現在の九年庵の位置にあったんだ。
奈良時代に仁聞菩薩が訪れたとの伝承もあるぞ」


アカサカ「石段を登るとこんな感じだ。せっかくだし、お参りしていくか」

ウエスト「そうだね」


アカサカ「ほんじゃ、ちょっと休憩していくか」

ウエスト「賛成〜。ボク、ちょっと歩き疲れちゃったよ」

サンクラ「だらしねぇなぁ……」


ハッピー「涼しいねぇ、杏子ちゃん」

杏子「そうだな。丁度いい季節に来れて、良かったよな」


アカサカ「さてと、帰りには、途中にあった伊東玄朴の旧宅に寄っていくか」

ウエスト「伊東玄朴? 誰、それ?」


アカサカ「伊東玄朴は、江戸時代末期(幕末)から明治にかけての蘭方医だ。江戸幕府奥医師でもあるぞ。
近代医学の祖で、官医界における蘭方の地位を確立したんだ」


アカサカ「彼は長崎の鳴滝塾で、シーボルトよりオランダ医学を学んだんだ。
佐賀藩にて牛痘種痘法を実践し、安政5年(1858年)には大槻俊斎・戸塚静海らと図って江戸に『お玉が池種痘所』を開設したぞ」


アカサカ「庭のほうから建物を見ると、こんな感じだ」


バスの駐車場では、猿回しの大道芸が行われていました。


アカサカ「さて、今度はお待ちかねの昼食だ!」

一同「やったー!」


アカサカ「内容はこんな感じだ。蕎麦と茶碗蒸しはまぁまぁだったかな。昼食が終わったら、お土産を買おうか」


杏子「この羊羹、表面がカリカリしてるぞ」

アカサカ「この小城羊羹は、昔ながらの製法で作られてて、表面に固まってるのは砂糖なんだってさ」

杏子「へ〜。さやか達に買っていくかな……」


アカサカ「お土産も買ったし、今度は多久聖廟だ」


アカサカ「よ〜し、着いたぞ。看板にもある通り、ここは儒学の祖である孔子が祀られてるんだ」


アカサカ「多久聖廟(たくせいびょう)は、佐賀県多久市に設けられた孔子廟だ。1708年(宝永5年)竣工だぞ」


アカサカ「ここは肥前多久邑主の多久茂文が教育振興を目的として建立を発願し、
1699年(元禄12年)に学問所(後の東原庠舎)を建設した上で、その講堂に孔子像を安置、さらに1708年(宝永5年)に椎原山の麓に拝殿(恭安殿)を完成させた。
大正10年(1921年)3月3日に、敷地を含め国の史跡に指定されてる。
建物は昭和8年1月23日、当時の国宝保存法に基づき国宝(いわゆる旧国宝)に指定され、昭和25年(1950年)8月29日、文化財保護法施行に伴い国の重要文化財となったんだ」


アカサカ「今回は丁度、中も公開されててラッキーだったな。ハッピー、学問の神様らしいし、お参りしてきたら? お前さん、勉強苦手だろ」

ハッピー「も〜、からかわないでよ、店長!」

インペラー「はは、そりゃいいッスね」

ディケイド「お前もあんまり人の事言えないだろ……」


アカサカ「孔子の像だ。よし、次は西渓公園に行くぞ」


ハッピー「以外とさっきの場所から近かったね」


杏子「お、柿の木だ」

ウエスト「奥の休憩所では、甘酒も売ってるみたいだよ」


ハッピー「これ、誰?」

ウエスト「えーっと、何々……『高取伊好翁・物を開き勤めを成した炭鉱王』だって」

アカサカ「補足しとくと、この人は明治時代に活躍した佐賀藩出身の実業家、炭鉱技術者だ。歌手の高取ヒデアキさんは、この人の曾孫だぞ」

ハッピーウエスト「へぇ〜……」


ハッピー「綺麗〜」

サンクラ「今までの場所じゃ、一番赤くなってるな」

ウエスト「あっ! みんな、見て見て!」


ウエスト「池にコイが泳いでるよ!」

ハッピー「本当だ」


ハッピー「……これ、何かな?」

杏子「えーっと、『大宝聖林碑』だってさ」

ハッピー「だから、何の動物なの?」

杏子「さぁ……」

アカサカ「亀だろ。丁度『唐津くんち』の『亀と浦島太郎』が、こんな形の亀だぜ」

ハッピー杏子「ふ〜ん……」


アカサカ「それじゃ、ちょっと上まで登ってみるか……」

一同「了解〜」


ウエスト「ねぇねぇ、見て見て〜♪」

杏子「綺麗に色づいてるな」

サンクラ「景色も見晴らしもいいし、こんな中を飛んだら気持ちいいだろうな」

ウエスト「そうだねぇ」


アカサカ「それじゃあ今度は、『環境芸術の森』に行くぞ」


インペラー「さっきの場所も綺麗だったッスけど、ここもなかなかッスねぇ、先輩」

ディケイド「そうだな」


ハッピー「石の上に、鳥の石像が乗ってる〜♪」

ウエスト「面白いねぇ♪」


杏子「石の橋か……」

インペラー「狭いッスねぇ。一人ずつでないと渡れないッス」


ハッピー「池に紅葉が沈んでるよ。水も澄んでるし、綺麗だね〜」

ウエスト「本当、時間を忘れそうだね」

アカサカ「さすがに『芸術の森』だな」

サンクラ「いや、それは別に狙ってる訳じゃないと思うけどよ……」


アカサカ「小川が涼しげだな」

ウエスト「そうだね」

インペラー「夏だったら水遊びでもしたくなる感じッスね」


杏子「でっけぇな〜」

サンクラ「案内板によると『大もみじ』らしいぞ」

杏子「そのまんまだな……」


サンクラ「何だこりゃ。門の跡みたいだが……」

ディケイド「謎だな……」


杏子「よ〜、どうだ?」

ディケイド「おいおい……」

インペラー「杏子ちゃん、危ないッス! 降りて来るッスよ!」

杏子「これ位平気だって♪」

アカサカ「……落っこちても知らねぇぞ」


アカサカ「さて、最後は唐津市にある海産物の販売所、『おさかな村』だ。ここは管理人が子供の時からある場所で、管理人もちょこちょこ来た事があるんだそうだ」

杏子「ハッピー、ウエスト、たこ焼き売ってるぞ」

ハッピー「買おう買おう♪」

ウエスト「鳥飯もあるみたいだよ」


サンクラ「だいぶ日も暮れてきたな……」

インペラー「そうッスねぇ」

アカサカ「よ〜し、じゃ、最後にここで記念写真を撮るぞ!」

一同「おーっ!」

ディケイド「それじゃあ、撮影はオレが……」

アカサカ「いいからいいから、ディケイドも来いよ!」

ディケイド「あ、ああ。分かった」

パシャッ!

アカサカ「という訳で、今日のバスツアーはこれでおしまいだ! みんな、お疲れ様でした〜」

一同「お疲れ様でした〜!」


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