おねしょ注意報



「急げーっ、大ピンチだーっ!」

 ブロォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン……

 インプレッサが興奮したように道路を走っている。
 エンジンも全開、へたをすると交通事故さえ起こしてしまいそうな速度だ。
 だが不思議な事に、道路には人っ子一人どころか、猫の子一匹さえいなかった。
 その内に、インプレッサの目の前に高層ビルが現れる。
 文字通り天まで届くほどの高さで、最上階など雲に隠れて見えなかった。
「あの超高層ビルの最上階!? 間に合うか!? ヒカリアン・チェーンジ! とうっ!」
 焦るインプレッサは一気にチェンジすると、空中へとジャンプする。
 だが、そのジャンプ力はどうだ。
 インプレッサの身体は軽々と宙を舞い、一気に最上階まで到達してしまったのだ。
 インプレッサ自身も、自分のジャンプ力に驚いていた。
「まさか僕にこんなジャンプ力が!?」
 驚きつつも、インプレッサは窓を突き破って部屋に飛び込んだ。

 ガッシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!

 そして、次にインプレッサがとった行動。
 それは――
「ふ〜、間に合った……」
 トイレで用を足す事であった。
 つまり彼が急いでいた理由というのは、トイレを我慢していたのである。
「良かったな〜インプレッサ、間に合って」
 声をかけられたインプレッサが振り向くと、そこにいたのはマスタングだった。
「あ、マスタングも来てたんだ。いやー、良かったよ。間に合って本当に良かっ……」
 そこまで言って、インプレッサははたとなる。

 彼が目を開けると、そこは彼の自室であった。
 さらにインプレッサは布団の中にいる。
 インプレッサは、妙に冷静になって、しばらく考え込んだ。
 そして……
「しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 正義のヒーローともあろう者がおねしょを――っ!」
 布団から飛び起きる。
 そう。今までの一連の出来事は、全て夢だったのだ。
 それにしても、トイレに行く夢を見ておねしょをするなんて、典型的なパターンである。
「と、とにかく、この布団を何とかしなきゃ……」
 完全に気が動転したまま、インプレッサは急いで布団を抱えると、部屋からこっそりと抜け出した。
 そして、足音を立てずに廊下をそろそろと歩いていく。
(急げーっ、大ピンチだ! こんな事がみんなに知れたら……)
 インプレッサの脳裏に、想像できる最悪の事態が浮かぶ。
 仲間から笑われる――
 カウンタックから大目玉を喰らう――
 さらにムボウデーンに知られた日には――
 ところが、そのインプレッサでさえも驚くような状況が司令室では発生していた。
「こらーっ、ランサーっ!」
 突然聞こえてきた怒声に、インプレッサは思わず司令室を覗き込んだ。
 そこでは、
「正義のヒーローともあろう者がおねしょだと〜っ!?」
 なんとランサーが、カウンタックにお尻を叩かれていたのだ。
 近くには濡れた布団がおいてある。
 つまり、ランサーもおねしょをしてしまった、という訳だ。
 インプレッサは思わずズッコケてしまう。
 そのはずみで、カウンタック達もインプレッサの存在に気がつく。
「インプレッサ!?」
 一同は、さっそくインプレッサの側にある、濡れた布団を目にする。
「その布団、まさかお前も!」
「ええっと、あの、その……」
 しどろもどろになりながらインプレッサは視線を泳がせる。
 しかし、言い訳など出来ようはずもなかった。
「恥ずかしいぞ、二人とも」
 いつになく真剣な表情でマスタングが言った。
「マスタング……」
「このことが子供達に知られてみろ。ヒカリアンの名は永遠に笑われ者だぞ!」
 格好良く決めたマスタングだったが、ちょうどその直後だ。
「マスタングの布団、濡れてたから干しておきますよ」
 タンクがマスタングの布団を抱えて、彼の背後を通ったのだ。
 一同の時が止まる。
「う〜む、ひょっとしてムボウデーンの仕業か……?」
 マスタングは腕を組んで、わざとらしいまでにシリアスな表情で言った。
 が、ごまかせる筈も無い。
「三人とも立ってろ!」
 カウンタックの怒声が響き、三人とも濡れた布団を背後に、ガレージの屋上に立たされてしまう事となったのだった。

 さて、その頃……。
「ふっふっふ。今頃あの三人のヒカリアン共、落ち込んでるだろうな」
 ムボウデーンの本拠地で、バリバリッシュがニンマリと笑みを浮かべていた。
「すごいっスねぇ、兄貴。このコマルダーの夢を操るパワーは」
 感心したようにサイディも続ける。
 彼らの横には、枕の頭部を持ち、布団をドラキュラのマントのように羽織ったコマルダーがいた。
 手足を含むボディはベッドで出来ている。
 そう、インプレッサ達のおねしょは、このコマルダーの仕業だったのだ。
「明日はもっと大勢の人間におねしょをさせるぞ」
「了解っス!」
<コマルダー!>
 二人のやり取りを見ていたビルドが、納得したように言った。
「ハンマー。成る程、沢山の人間におねしょをさせて、日本中に大洪水を起こす計画だな」
 とんでもなく的はずれな事を言うビルドに、バリバリッシュとサイディはひっくり返る。
「んな訳あるかアホ!」
 起きあがったバリバリッシュが、顔を紅潮させて叫ぶ。
 どこをどうしたら、一体そういう結論に辿り着くんだろう……。
 やっぱりこいつ、本物のバカだ。
「……バカ?」
 あ、やべ。
「ハンマ――――っ! 誰がバカだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 ビルドは逆上した様子で、いきなり左腕のバケットを振り回し始める。
 直後、
「いい加減にしやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 バキィィィィィィィィィィィィィィィッ!
 キラッ!

「ハァァァァァァァァンマァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
 バリバリッシュの昇〇拳が決まり、ビルドはお空のお星様になった。
「日本中の人間を落ち込ませて、夢も希望も失わせる作戦だっての!」
 ビルドの大ボケっぷりに、自分の方が落ち込みそうになるバリバリッシュであった。



 一方、ヒカリアンガレージでは。
「インプレッサ、大変だーっ!」
 血相変えてガレージに飛び込んできたタクヤだったが基地内の重苦しい雰囲気にさらに目を見開く。
 言わずもがな、インプレッサ達が落ち込んでいるのだ。
「何落ち込んでるんだよインプレッサ!」
「ほっといてよタクヤ君……」
「三日も続けておねしょを……」
「どうしたんだよマスタング!」
 さらに――
「みんな不幸になっちゃえ……」
「ランサー! 不幸の手紙なんか書くなぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 三人にツッコミを入れ、疲れたようにゼイゼイと肩で息をしていたタクヤだったが、気を取り直したように叫ぶ。
「そんな事より、おかしな事件が起きてるんだよ、みんな。街中の人が、三日続けておねしょしてるんだ!」
「んなにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
 インプレッサ達は、一気に飛び起きて叫ぶ。
 その勢いは、タクヤですらたじろぐ程であった。
 ふと気づいたようにインプレッサが尋ねる。
「あ、でもタクヤ君達は大丈夫だったの?」
「おれは紙おむつのおかげでバッチリ助かったよ!」
 タクヤは得意そうにズボンを下ろしてみせる。
 それもどうかと思うけど……。
 ちなみにこの時ミズキがどうしていたかと言うと……。
「三日も続けておねしょなんて……もうお嫁に行けない……」
 …………。
 …………。
 え〜と、なんかあまりに可哀想なんで、これ以上は割愛させて頂きます。
 話をガレージの方に戻そう。
「どうやらみんな、同じ夢を見せられてるらしいんだ」
 ズボンをはき直したタクヤが、一同に言う。
「まさか、その夢が原因!?」
「よ〜し、その夢を調べてみますか」
「夢を調べる?」
 タンクが思いついたように言ったのを聞いて、マスタングは顔にハテナを浮かべた。

 一同がタンクの研究室に来てみると、そこには巨大なマシンが用意してあった。
 下の部分は台になっており、どうやら被験者が寝ころんで使う機械のようであった。
「タンク、これは!?」
 マシンに驚いたインプレッサが叫ぶ。
「夢の研究用に作っていたドリームマシンです。みんな同時に夢の中に入ることが出来ます」
「だ、大丈夫かのう……?」
 インプレッサ、タクヤ、ランサーと共に、装置の台の上に寝転がったマスタングが呟く。
 どうやらビビリ癖が出てきたらしい。
「私を信じてください。スイッチオン!」

 バキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!

 次の瞬間、マシンから飛び出した巨大なトンカチに頭を殴られ、四人は一瞬にして気を失うのであった。
 よく死なないなぁ……。

「ん?」
 ランサーが気がつくと、そこは高層ビルが建ち並び、人も動物もいない場所であった。
 空は異次元のように異様な色をしている。
 冒頭でインプレッサが見ていた夢と、全く同じ景色だ。
 という事は……。
「マスタング、成功みたいだよ!」
「ここが夢の中か! インプレッサとタクヤはどこだ?」
「まずいよ、ここではぐれたら……」
 不安そうに周囲を見渡すランサーだったが、インプレッサは彼らのすぐ近くにいた。
 しかも布団を被ってイビキまでかいている。
 ランサー達は思わずズッコケてしまった。
「夢の中で寝るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 二人は揃って叫んだ。
 と、その時だ。
「わーっ、みんな助けてーっ!」
 タクヤの悲鳴が響いたのだ。
「タクヤ君!?」
<コマルダ〜!>
 見ると、布団コマルダーが無理矢理タクヤに飲み物を飲ませているところであった。
 しかも側にはバリバリッシュまでいる。
「ふっふっふ、もっと飲んでおしっこをするんだ!」
「バリバリッシュ!」
「む、ヒカリアン!」
「人々におねしょをさせて落ち込ませようったって、そうは行かないよ!」
 ランサーが叫んだ。
 が、その後のバリバリッシュの反応は、二人が予想もしないものであった。
 バリバリッシュはいきなり、滝のように涙を流し始めたのだ。
「そうだよなぁ。普通はそう思ってくれるよなぁ。良かった、お前らが気づいてくれて……」
 どうやらビルドの反応で、相当精神的ダメージを受けていたらしい。
 意外とデリケートなのである。
「なんだかよく分からないけど、お前達の作戦もこれまでだ!」
 ランサーとマスタングは、気を取り直してバリバリッシュ達に突進する。
 バリバリッシュの方も、気がついたように叫んだ。
「バカめ、ここまで来られるかな! やれコマルダー!」
「コマルダ〜!」
 布団コマルダーが地面に両腕をついた途端、地面がまるでスライムのように波打ち始めた。
 そして、それはマスタング達の前で粘土のようにある物を形作る。
「な、なにーっ、地面からいっぱい、私の大好きな牛丼が生えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 巨大な牛丼の山に、あっと言う間にマスタングは囲まれてしまう。
「うう、嬉しくて動けん……」
「マスタング、そいつは夢の産物だ! ランサー!」
 ランサーの方を見るタクヤだったが、そちらでも、
「ボクの大好きな限定版サーフボード……」
 サーフボードの山に頬ずりして動けなくなっていた。
「だめだ、こりゃ……」
 タクヤは思わずガックリ。
 逆にバリバリッシュの方は歓喜に満ちた表情であった。
「見たか、このコマルダーの威力を! 自分の欲望で動けなくさせる作戦だーっ!」
 だが、その時だ。
「ムニャムニャ、ヒカリアン……」
「ん?」
「キ〜ック!」

 バキィィィィィッ!

 振り向いたバリバリッシュに、インプレッサの跳び蹴りが決まる。
「ぐわっ!」
 さらにインプレッサは倒れたバリバリッシュの上に乗っかかると、ボカスカと殴り出す。
「ムニャムニャ……ヒカリアン・パ〜ンチ……」

 ドカ! バキ! ゴス! ベコ!

「わ〜〜〜っ、何だこいつ!」
 バリバリッシュも突然の事にあたふたとするばかり。
 タクヤは思わず嬉しそうに叫んでいた。
「上手いぞインプレッサ! 夢の中で寝ぼけてるから、あいつの作戦も通用しないんだ!」
 寝ぼけているインプレッサの攻撃はさらに続く。
「ヒカリアン・歯ぎしり!」

 ギリギリギリギリ……

「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 耳許で歯ぎしりをされて、バリバリッシュはのたうち回った。
 ムボウデーンの本拠地では、バリバリッシュがのたうち回っているのを見てサイディが慌てていた。
「あ、兄貴、どうしたっスか!?」
「夢の中でインプレッサの小僧が奇妙な攻撃を〜っ……」
「ヒカリアンが夢の中で邪魔してるっスか!? こうしてはいられないっス! オイラも夢の中に入って兄貴をお助けするッス! ブラッチャールドール!」
「マンセー!」
「子守歌を歌うッス!」
 言うなり、サイディは布団を被って寝転がった。
 それに合わせて、ブラッチャールドール達も子守歌を歌い出す。
「ね〜んね〜ん、ころ〜り〜よ〜……♪」
「早くしてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
 バリバリッシュの悲痛な叫び声が、ムボウデーンの謁見の間に響いていた。
 次の瞬間、

 ドゴッ!

 夢の中のバリバリッシュの頭上から、サイディが降ってきた。
 どうやら無事(?)に夢の中に入ってきたらしい。
 バリバリッシュはズタボロになりかけながらもヨロヨロと起きあがった。
「ま、待ってたぞ、サイディ! よ〜し、二人でコイツを片付けるぞ!」
「分かったっス〜……」
 が、バリバリッシュはここでサイディの様子がおかしい事に気がついた。
 目がトロンとしていて、フラフラとよろけている。
「ま、まさか……」
「ムニャムニャ、ホイール・アターック……!」

 バコォォォォォン!

 サイディの投げつけたタイヤは、バリバリッシュの顔面にまともにヒットする。
「わ〜っ、やっぱり寝ぼけてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
 その大騒ぎで、ようやくインプレッサも気がつく。
「はっ、ここは!?」
「おおっ! インプレッサ、目が覚めたんだね」
 本当は夢の中なので、まだ寝てはいるのだが。
 そこへ、なんとか幻覚から脱出したランサー達も駆けつけてくる。
「くそ〜っ、よくもやってくれたな、ムボウデーンめ」
「二人とも気がついたんだね!」
「みんな、行くぞ!」
「おう!」
 インプレッサ達は、改めてバリバリッシュ達に向かっていった。
「ヒカリアン・枕投げーっ!」

 ボコッ!

 ランサーの投げつけた枕がサイディを吹っ飛ばす。
「ヒカリアン布団むし!」
 布団で簀巻きにしたバリバリッシュを、マスタングが踏みつける。
 とどめはインプレッサだ。
「エンジンガン、エンジン全開!」
 叫ぶなり、インプレッサの手にエンジンガンが出現した。

 ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン!

 銃の本体が振動を始め、銃口に赤いエネルギーが集まっていく。
 その内に、銃口には火がともっていた。
「ファイヤー・ストライク!」
 インプレッサがトリガーを引くと同時に、エンジンガンから炎のエネルギーが発射された。

 ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!

 巨大な炎は渦を巻き、布団コマルダーを包み込む。
<コマッタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!>

 ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!

 布団コマルダーの悲鳴が響き、大爆発が巻き起こった。
 爆煙が晴れると、そこには元に戻ったベッド・枕・布団の寝具三点セットが転がっていたのだった。
「やったーっ!」
 タクヤ達は飛び上がって勝利を祝う。
 だが、まるでそれを合図にしたかのように、周囲が地震でも起きたかのように揺れ始めたのだ。

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 高層ビルにもヒビが入っていく。
「見ろランサー!」
「あのコマルダーが倒されたから、夢の世界が崩れ始めたんだ!」
 このままでは、インプレッサ達も夢の世界に閉じこめられてしまう。
「まずいぞ、早いとこ目を覚まさんと!」
 ランサーは頷くと、インプレッサに向かって叫ぶ。
「インプレッサ、目覚ましコールを!」
「OK!」
 いつの間にか、インプレッサの手にはマイクが握られている。
 と言うことは……。
「あ〜た〜らし〜い、あーさが来た、き〜ぼ〜の、あ〜さ〜だ……♪」
 インプレッサの歌声がすさまじいまでの大音量で響いた。
「わーっ!」
 タクヤ達は一斉に目を覚ます。
 インプレッサの歌声で目を覚まそうという、ランサーの作戦は成功した。
 さすがは旧知の仲というべきか。
 タクヤ達が目を覚ましたのを見て、カウンタック達は嬉しそうに彼らに駆け寄った。
「みんな、目が覚めたか!」
「事件は解決! みんな無事だよカウンタック!」
 カウンタックに向かって、ランサー達は笑顔でVサインをしてみせる。

 一方、
「バ、バリバリッシュ様とサイディ様が目を覚ましたぞ!」
「ああっ、二人ともボロボロだ!」
 夢の世界で受けたダメージもそのままに、バリバリッシュ達も現実に帰還した。
「こ、これが夢なら覚めて……」
 床に突っ伏したまま、バリバリッシュは一人呟くのだった。



 こうしてヒカリアン達や街の人々はおねしょに悩まされる事は無くなった。
 しかし、一つだけ困る事があった。
 それは……
「あ〜た〜らしい朝が来た〜……♪」
「あーっ、もううるさい!」
「まだ目が覚めないの、インプレッサ……」
 どうやら自分の歌では、インプレッサも目を覚まさないらしい。
 こうしてヒカリアン達は、今度は睡眠不足に悩まされる事になってしまったのであった。
 ちゃんちゃん♪

To be continued.


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