〜味覚〜

ハッピー「うわっ、苦〜い……。何でだろう、砂糖もミルクもいつも通り入れたのに……」

アカサカ「冷めてんじゃねえか、そのコーヒー?」

ハッピー「え、何で分かったの?」

アカサカ「甘味は体温付近が一番感じやすくて、熱かったり冷たいと感じにくくなってんだよ。冷たい方が余計に鈍くなるけどな。
だからアイスクリームなんかは、あったかい物より余計に砂糖が入ってる。苦みの方は体温以下だとあんまり差は無いけど、熱い方が感じ方が鈍くなるんだ。
つまり、砂糖の入ったコーヒーは、熱い方が甘味をより強く感じるってわけ」

ハッピー「へ〜……。じゃあ、しょっぱいのや酸っぱいのは?」

アカサカ「塩味は温度が高いほど、感じ方が鈍くなる。味噌汁が冷めると急に塩辛くなるのはそのせいだ。酸味の方は、温度に関係なく一定だな」

ハッピー「そうなんだ」

アカサカ「人間の舌の表面には乳頭っていうブツブツした小さな突起があって、さらに乳頭の中に味を感じる味蕾(みらい)って器官があるんだ。
その数は普通、大人の舌で一万個ほどで、この味蕾が微妙な味の区別を感じ取ってんだ」

ハッピー「ふ〜ん」

アカサカ「で、舌は塩味、酸味、甘味、苦味の四つの味覚を感じてるわけだけど、それらは舌の場所によって、味を感じる度合いが違ってるんだ。
例えば甘さを感じるのは舌の先の方だし、苦味を感じるのは舌の奥の方、辛さ、酸っぱさ、しょっぱさは、それぞれ舌の左右って具合だ」

ハッピー「へ〜。じゃあ、この冷めたコーヒー、店長にあげる。これ以上お砂糖入れたら、体重増えちゃうもん」

アカサカ「おい……」

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