〜爪と指紋〜

ノックアウト「痛たたた……」

ウォーブレ「どうした、メディックノックアウト?」

ノックアウト「またスタースクリームに、爪でカリカリされたんですよ。全く、おかげでまた私の美しいボディに傷が……」

ウォーブレ「(また仕事サボってレースしてたんだな……)そりゃ難儀だな。また磨かねえと……」

ノックアウト「ときにウォーブレークダウン、爪と言えば、私が今持ってる“まごのて”、漢字では『爪杖』と書くそうです」

ウォーブレ「ふ〜ん」

ノックアウト「爪は皮膚が変化した物で、動物の爪には三種類あり、食肉類や鳥類は『かぎづめ』、偶蹄類や奇蹄類は『ひづめ』、そして人間を含む霊長類は『ひらづめ』と分かれています」

ウォーブレ「ほうほう」

ノックアウト「そしてひらづめは樹上で生活する動物に発達しました。指の背中側に爪があるのは、指の力に対する反作用を、爪がしっかりと受け止めるからです。
つまりその事によって指先まで力が入り、しっかりとモノが掴める、という訳です」

ウォーブレ「ほほう」

ノックアウト「木の枝をつかむ霊長類は、ひらづめ以外に指紋も発達しました。これはタイヤや運動靴の溝のような物で、
これによって握るだけではなく、『つまむ』という細かい動作も行えるようになりました。
有機生命体の手と脳みそには深いつながりがあって、手を複雑に動かす事によって、大脳も発達するんだそうです」

ウォーブレ「よく勉強したんだな。けどよ、どっちにしても、オレ達ロボットにゃ、縁の無い話だな」

ノックアウト「……いいんですよ、ウチは病院なんですから」


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