〜靴と身長〜

杏子「なぁ、店長。明日休みもらってもいいかな?」

アカサカ「いいけど、何か用事?」

杏子「さやか達に、明日、靴買いに行くから付き合ってくれって言われてよ」

アカサカ「へぇ。まぁ、いいよ。ただ靴を買うなら夕方にしといた方がいいぞ」

杏子「何でだよ?」

アカサカ「それはな、朝より夕方の方が、足が微妙に大きくなってるからなんだよ。1日中歩いたり靴をはいたりしてるからね。どっちにしても、両足ともはいて、少し歩いてみてから買った方がいいな」

杏子「へぇ〜。明日、さやか達にも教えてやろうっと」

アカサカ「ちなみに同じような理屈で、身長も朝と夕方じゃ、微妙に違うんだよ」

杏子「そうなの?」

アカサカ「ああ。例えば小学生なら約1.3cm、中学生なら約1.5cm、大人になると約2cmも朝の方が高いんだってさ」

杏子「へぇ〜」

アカサカ「この原因は、人間の背骨を構成してる“椎骨(ついこつ)”と、その間にある“椎間板”のせいなんだと。
背骨ってのは24個の椎骨が縦に連なって出来てるんだけど、その椎骨と椎骨の間には椎間板っていう軟骨が挟まってる訳だ。
で、この椎間板は頭なんかの重みで夕方ごろに縮んじまうんだけど、夜寝てる間に元に戻って、身長も元通りってわけ」

杏子「ふ〜ん」

アカサカ「ところで靴買いに行くんなら、少し軍資金出そっか?」

杏子「いいのか!?」

アカサカ「ああ。経費で落としとくよ」

杏子「せこいな……」

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