〜硬水・軟水〜

さやか「こんちわーっ……て、何やってんの、瀬利?」

瀬利「見て分かんだろ、洗濯してんだよ。ウチの師匠、洗濯が必要ねえから洗濯機が無くてさ……」

さやか「へえーっ、あんた洗濯板使えるんだ。凄いじゃん」

瀬利「よせよ。ところでさやか、水には硬水と軟水があるが、洗濯に適してるのはどっちだと思う?」

さやか「えーっと……どっち?」

瀬利「まず、カルシウム塩やマグネシウム塩を多く含んでるのが硬水、あんまり含んでないのが軟水だ。
んで、硬水は石鹸を加えると脂肪酸のカルシウム塩が生じて沈殿しちまうから、洗濯にゃ向いてねえ。それに、染色やそのほかの工業用にも使えねえんだ」

さやか「ふ〜ん。物知りだねぇ……」

瀬利「ところで水の硬度にゃ、ドイツ硬度、フランス硬度、イギリス硬度、アメリカ硬度なんてのがあるんだが、日本じゃドイツ硬度を使用してるんだってさ」

さやか「へぇ〜」

瀬利「ドイツ硬度だと、水100立方cm中に酸化カルシウムが1mg含まれた状態を1度としてる。この硬度が20度以上で硬水、10度以下が軟水だ。それに、軟水も永久軟水と一時軟水に区別されてんだぜ」

さやか「すごいねぇ、瀬利。家事も出来て物知りだなんて。いい奥さんになれるよ」

瀬利「興味ねえよ。そういうお前はどうなんだよ」

さやか「……今は主夫っていう選択肢もある時代だよ?」

瀬利「おい、さっそく一個前の発言覆ってんぞ……」


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