〜コンニャク〜

汐莉「お腹空いた〜。くれちゃん、今日の晩御飯なぁ〜に?」

くれは「今日はおでんですよ。コンニャクの良いのが手に入ったんで、張り切っちゃいました♪」

汐莉「やっだぁ。私、コンニャク苦手なのよねぇ。味しないんだもん」

くれは「細かく切れ込み入れてますから、しっかり“おつゆ”は染み込んでますよ。それに、コンニャクはお腹にたまった砂もとってくれるんですよ。
現在でも、関西の方では針供養の日(12月8日)に“砂払い”“砂おろし”と称して、コンニャクを食べる風習があります」

汐莉「へ? 何、それ?」

くれは「昔から、『コンニャクは胃袋の砂払い』って言われています。
そもそもコンニャクは、名前と同じコンニャクというサトイモ科の植物の地下に出来た球茎です。
コンニャク玉から直接作った物は味が良いのですが、普通食べているコンニャクは、球茎を輪切りにして干し、粗く砕いて石臼で挽いた粉から作った物です」

汐莉「へぇ〜」

くれは「粉を水に溶いて石灰液か灰汁を加えると固まるので、切って熱湯の中に入れておくと30〜40分ほどで出来ます」

汐莉「ふ〜ん」

くれは「コンニャクの成分は97%が水分ですが、残りの3%に胃では消化されにくい炭水化物が含まれ、これが腸内を殺菌し、整腸に役立っているんです。
コンニャク特有のグニャグニャした歯触りは、この炭水化物に含まれているグルコマンナンという物質によるもので、便秘・肥満防止に効果が高いんですよ」

汐莉「ところでくれちゃん、コンニャクはいつ食べるか、知ってる?」

くれは「……『今夜食う』なんてつまらない事言うなら、晩御飯抜きですよ」

汐莉「やっだぁ……」

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