〜キス(接吻)〜

テレビ「『カカ子、オレの目だけを見つめるんだ!』『カクヤ!』」

ハッピー「きゃー、きゃー! キスよ、キスよ。それ、1、2……」

杏子「…………」

アカサカ「そう言えばさ、日本でのキスの習慣は、奈良時代に中国から伝わったんだって」

杏子「そうなの?」

アカサカ「ああ。ただ、それはごく一部の知識階級に知られただけで、庶民の間に普及したのは江戸時代になってからなんだってさ」

杏子「ふ〜ん」

アカサカ「さらに、“キス”という言葉が登場したのは明治の初期の事で、明治20年にはキスが“接吻”という言葉に翻訳されたんだ」

杏子「へぇ〜……」

アカサカ「ちなみに明治38年11月18日付の『時事新報』には、次のような記事が載っていた。
『世界の多恨なる士女は、市俄古(シカゴ)の人アルフレッド・フワウラー氏の新発見に対し、深く謝する所なかるべからず。
と云うは、氏が近頃専念接吻に関して研究する所あり。
氏は之を八大別して、情熱の接吻、愛情の接吻、敬虔の接吻、同胞の接吻、好奇の接吻、詐騙の接吻、害意ある接吻の七種となし、
細密に之を説明し居るが故に、人は氏の研究は学位より値ありとせり……』」

杏子「なんか、もう訳が分かんねえよ……」

アカサカ「あと、こんなのもあるぞ。ドイツのグリルパルツァーって人によると、
『手の上ならば尊敬のキス、額の上ならば友情のキス、
頬の上ならば厚意のキス、唇の上ならば愛情のキス、
閉じた目の上ならば憧憬のキス、掌の上ならば懇願のキス、
腕の首ならば欲望のキス、さてその他は、みな狂気の沙汰』」

杏子「……ところでさぁ、さっきのハッピーって……」

ハッピー「なに?」

杏子「なんかオバちゃんみたいだったぞ」

ハッピー「…………」

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