〜イナゴ〜
スカージ「……やぁ、マンテラー。何してるんだ?」 戻る
マンテラー「イナゴ食ってんだよ。お前もどうだ?」
スカージ「……私に共食いする趣味は無いよ」
マンテラー「何を言う。イナゴは米作が盛んな日本の農家において、昔から貴重なタンパク源として重宝されてたんだぞ。
わずかに緑茶の茶葉のような爽やかな風味もあるんだ。食感と味が小エビに似てるってんで、オカエビと呼ぶ地域もあるんだぜ。
キリスト教の旧約聖書には、洗礼者ヨハネがイナゴを常食していたって記されてるし、ユダヤ教での『イナゴなどのバッタ類は食しても良い』という根拠になってるんだ」
スカージ「……ほう」
マンテラー「そもそもイナゴはバッタの仲間なんだが、イナゴは『翅を使って長距離飛行が出来る』ってのがバッタとの違いなんだ(バッタはあくまで『跳ぶ』)」
スカージ「……なるほど」
マンテラー「バッタが大量に発生して、稲に限らず草木までねこそぎ食い荒らしながら移動していく災害のことを『蝗害(こうがい)』っていう。
日本人にとってほとんど実体験のない『蝗』が漢籍により日本に紹介された時に、誤解で『いなご』の和訓が与えられたんだ」
スカージ「……ふむふむ」
マンテラー「ところでスカージ。お前さん、何かオレに用事があったんじゃないか?」
スカージ「……ああ、対サイバトロン用に、新型のウイルス兵器を作ったんで、実験台になってもらおうかと」
マンテラー「誰がなるか」