〜打診〜

ブドーラ「う〜、具合わりぃ〜……先生、早く診察してくれよ」

ノックアウト「はいはい。それでは、ちょっとそこに座って下さい。胸をトントンしますからね」

ブドーラ「何だ、そりゃ?」

ノックアウト「これは打診といって、どこが悪いのかを調べる方法です。ちなみにどういう風に具合が悪いのかを訊くのは問診と言います」

ブドーラ「…………」

ノックアウト「なお、この打診ですが、この方法を考え出したのは、オランダのアウエンブルッガーという方です。
彼はもちろん医者でしたが、それ以前は酒場で働いていました。酒場では、酒樽に残っているお酒の量を調べる時に、樽を木槌でたたいて、その音で樽に残っているお酒の量を判断するのです」

ブドーラ「…………」

ノックアウト「そこで彼は、この方法が人間の体を調べる時にも応用できると考えて、打診として早速診察に利用したのです。
そしてこの後、ナポレオンの侍医だったフランスのヴィサール・デ・マレという方が、この診療法を確固たるものにしました……って、どうしました?」

ブドーラ「先生、薀蓄はいいから早く診察を……」

ノックアウト「おっといけません。それではすぐに、オペの準備を。な〜に、痛くしませんからね〜♪」

ブドーラ「って、ちょと待て! まだ診察も何もしてないじゃねーか! お前、絶対それ、自分の趣味だろ!」


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