〜大名行列〜

テレビ「下に〜、下に。下に〜、下に……」

ウエスト「店長、この『大名行列』っていうの、町の人たちは大変そうだねぇ……」

アカサカ「ああ、そうだろうな。なんせ、長い行列が過ぎるまで、その場で土下座してなきゃならなかったわけだからな」

ウエスト「ふ〜ん」

アカサカ「江戸時代のことだから、侍はそれ相応の理由があれば、その場で町民を斬りつける事も許されてた。
これが大名行列ともなると、ただ行列を横切っただけで、すぐさま無礼討ちになっても仕方がなかったんだ」

ウエスト「怖いねぇ……」

アカサカ「ただな、これは後年の創作で、実際は一般民衆は脇に避けて道を譲るだけで良かったんだ。
土下座をするのも行列の中の本陣(大名が乗った籠)が通る際だけだったんだと。
理由としては、華美な大名行列を見物する事は民衆の娯楽で、各藩もそれがために見栄を張って大名行列を一層華美にしてた訳だから、
平伏を強いられる状況ではそれが成り立たないからなんだってさ」

ウエスト「なんだ、そうなの」

アカサカ「それからある職業の人だけは、行列を横切る特権が与えられてたんだ。それは飛脚と産婆さんさ」

ウエスト「『さんば』……?」

アカサカ「そう。お産のある家に駆けつけるために、産婆さんが大名行列を横切ったとしても、これには何のお咎めも無かったんだってさ。
勿論、『行列を乱さない限りにおいて』って注釈が付くけどな」

ウエスト「『さんば』って言うと……あの、キョウリュウジャーの人達が踊ってる?」

アカサカ「そら“サンバ”違いだろーが」


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