〜年寄りの冷や水〜

イエロー「……それでさ、こだ爺ったら、無理してブラッチャーと戦おうとして、ギックリ腰になっちゃったんだって。まったく、年寄りの冷や水だよねぇ……」

ナイトビート「なるほどね。ところでイエロー、その『冷や水』なんですが、これはどこの水か知っていますか?」

イエロー「え、『年寄りの冷や水』の水って、由来があるの?」

ナイトビート「ええ。実はこれ、隅田川の水の事なんですよ。
江戸時代、水売りが杉の葉を立てた桶を担いで『冷や水やぁ、冷や水やぁ〜』と売り歩いていたそうです」

イエロー「へぇ〜」

ナイトビート「当時の江戸は、井戸を掘っても塩水が出てきたりして水には恵まれていませんでした。
隅田川の真ん中の水は綺麗だって触れ込みで、どんぶり一杯一文のこの水、良く売れたんだそうで」

イエロー「ふ〜ん……」

ナイトビート「ただし、町中の川の水ですから、生活排水なども混じっていて、実際は飲用には適さなかったようで、
お年寄りが腹痛を起こすことが多かったようです。
『冷や水を 飲んで息子に 叱られる』なんて川柳にも詠われ、年甲斐も無く若者の真似をしたがるお年寄りの行動を指すようになりました」

イエロー「……前から聞きたかったんだけどさ、何でナイトビート、そんなに地球の文化に詳しい訳?」

ナイトビート「探偵ですから」

イエロー「そういうもんなの……?」

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