〜クローン〜

アカサカ「よぉ、キックバック。大勢でどこ行くんだ?」

キックバック「よぉ、アカサカ。イチゴの食べ放題ツアーだ。団体の方が割引がきくんでな」

アカサカ「ああ、成程ね。そう言えば、お前らの兵隊見てて思い出したんだが、地球でのクローン第1号はニンジンだったんだぜ」

キックバック「ほう」

アカサカ「生命体の組織細胞を取り出して、栄養液の中で育てる事を『組織培養』って言う。
この組織培養によって作られた、元の生体と全く同じ性質を持つコピーを“クローン”って言う訳だが、その第1号のニンジンは、1960年代にアメリカで作られたんだ」

キックバック「ふーん」

アカサカ「その後、こうした植物組織培養技術は進んだものの、それを組織構造が複雑な動物に応用するのは不可能だってされてた。
けど、アメーバみたいな下等動物のクローン製造を経た1981年、アメリカとスイスの学者が、ついにマウスのクローンを作る事に成功したんだ」

キックバック「ほほう」

アカサカ「このマウス、卵子だけから作ったもので、母親の形質そのものだったんだそうだ。
2002年にゃ、ドイツの婦人科医が、クローン技術を応用した妊娠に成功したって伝えられたんだぜ」

キックバック「へぇ。……待てよ」

アカサカ「どうした?」

キックバック「これから食いに行くイチゴ、クローン共の分は消化させずにクローン培養で増やしゃ、より多くのイチゴが食えるかも知れねえな……」

アカサカ「……かえって面倒じゃねえか、それ?」

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