〜金属バット〜

サンクラ「ん、出かけんのか、杏子?」

杏子「ああ。さやかと一緒に、野球の助っ人に行くんだ」

さやか「どう、いいバットでしょ?」

サンクラ「ほう。そう言えば金属バットは、実はジェット機の機体と同じ材質だったって知ってるか?」

さやか「え、そうなの?」

サンクラ「ああ。『超々ジュラルミン』って、冗談みたいな名前の金属なんだが、比重が2・7と、木に比べてかなり重い」

杏子さやか「ふんふん」

サンクラ「それで中を空洞にしたものの、金属特有の『キーン』って不快な音が出る。
そこで、空洞に発泡ウレタンを詰めるか、先端をゴム製にするといった工夫を施してるんだ。
発泡ウレタンやゴムが、金属音を吸収して木製バットに近い音になる、って仕組みだ」

さやか「へ〜」

杏子「よっしゃ! じゃ、さやか、ここは景気よく『カキーン!』って音を響かせて、ホームランを打ってやろうぜ!」

さやか「そうだね!」

サンクラ「そりゃそうと、狭い店ん中でバットなんか振り回すなよ……」


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