〜アマガエル〜

パーセプター「やあやあ、『青蛙 おのれもペンキ 塗りたてか』……」

ダイバー「何やそれ? どういう意味でっか?」

パーセプター「今のは芥川龍之介の俳句だよ」

ライオコンボイ「成程。さすがに博学だな」

パーセプター「ところでライオコンボイ、実はアマガエルは水があまり好きではない、という事はご存知ですかな?」

ライオコンボイ「そうなのか?」

パーセプター「ええ。アマガエルはどちらかと言うと、木の枝や草の葉の上で暮らす事を好みます。そのため『枝蛙(えだかわず)』という別名もあるのです」

ダイバー「は〜、そら知らんかったわ。じゃ、『古池や……』の句で水に飛び込んだのは、どのカエルでっか?」

パーセプター「おそらくツチガエルやトノサマガエル辺りではないかな。泳ぎが得意なカエルは、水切りが良いように口先が尖っているのが特徴だ。
対してアマガエルやヒキガエルのように、あまり泳がないものは口先が丸くなっているね」

ライオコンボイ「ほう」

パーセプター「もっともアマガエルも梅雨の頃には水に入って卵を産みます。その泳ぎは足だけを使うもので、平泳ぎとはだいぶ違っていますね」

ライオコンボイ「成程」

パーセプター「ところでカエルも成長するにつれて脱皮をするのですが、ご存知ですか?」

ダイバー「ほんまでっか!?」

パーセプター「ああ。脱いだ皮膚はドロリとしていて良く分からないし、昆虫の抜け殻みたいには残らないがね」

ダイバー「は〜ん……」

パーセプター「ちなみにカエルは天気予報の名人という事でも有名だね。ある調査では、70%の確率で当たったそうだ。
科学者としては実に興味のある事柄だよ。そもそも……」

ダイバー「……ライオコンボイ、長くなりそうやし、この辺でトンズラしまへんか?」

ライオコンボイ「そうだな。パーセプターには悪いが……」

パーセプター「……さらにアマガエルの仲間には『シュレーゲルアオガエル』というものもいて、これはシーボルトが日本から持ち帰った資料を基に、シュレーゲルという人物が命名したアオガエルで……」

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