〜喫茶店〜

くれは「あら。暁美さん、鹿目さん」

まどか「こんにちは、くれはちゃん」

くれは「今お帰りですか?……珍しい組み合わせですね」

ほむら「ほっといて。ところで、貴方こそ何してるの?」

くれは「この間できた喫茶店に行くところなんですよ。そうだ、お二人もご一緒にどうですか? 奢っちゃいますよ♪」

まどか「いいの? ほむらちゃん、折角だし、私達も行こうよ」

ほむら「まあ、まどかが行きたいなら……」

くれは「そう言えば、カフェと混同されてるみたいですが、喫茶店って英語でも“Kissaten”って言うらしいですよ」

まどか「そうなの?」

くれは「ええ。そもそも日本で喫茶店第1号がスタートしたのは、明治21年4月6日のことで、東京下谷区(今の台東区)の西黒門町でした。
オーナーは明治維新の頃、長崎で通訳をしていた中国の方だったそうです。
ただ、時期尚早だったのか、わずか3年ほどで潰れてしまったそうですが」

まどか「へ〜……」

くれは「その後、日本は世界でも有数の喫茶店が多い国、と言われるようになりました。
歌声喫茶、名曲喫茶、マンガ喫茶に果てはノーパン喫茶なんてのも流行りましたね」

ほむら「貴方、いくつよ……」

くれは「でも、このところは業界用語で言う『セルフタイプコーヒーショップ』に押されて純喫茶は減少傾向にあるみたいですね」

ほむら「ふーん……」

くれは「このようなセルフ店はカフェテリアと言いますが、その代表格のドトールコーヒーショップは、
創業者がブラジルでコーヒーの焙煎を学んでいた当時、住まいのあった通りの名前『ドトール・ピント・フェライス通り』に由来するそうです」

まどかほむら「…………」

くれは「ちなみに『ドトール』とはポルトガル語で『医者』を意味する言葉です。また、コーヒー色をセピア色と言いますが、セピアとはなんとイカ墨の事で……」

まどか(……ねぇ、ほむらちゃん。もしかして、くれはちゃんも説明好き……?)

ほむら「いつもの事よ。気にしないで」

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