〜ウルトラ怪獣ソフビ・2代目ゼットン製作記〜

『ウルトラ怪獣シリーズ』……それは、1983年より続く、由緒正しいウルトラ怪獣のソフビシリーズである。……と、2013年にサイズ変更されて『ウルトラ怪獣500』になるまで、実に色々なラインナップが出たのですが、これが2代目・再生怪獣となると哀しいほど出ていない。せいぜいバルタン星人と、もともと再生版しか出ていないドラコくらいです。
 じゃあと言うので、「無ければ作っちゃおう」と無謀な企画を立ち上げたのが今回。一応、公式キャラで未商品化のために自作した物と言えば、過去に『まど☆マギ』の仁美のfigmaがありますが、彼女もほぼ頭髪を流用パーツを使ってセミスクラッチしたくらい。ソフビの改造なんてした事は無かった訳ですが、「プラモやフィギュアのセミスクラッチだったら何度かやったし、ま、手ぇ動かしときゃ何とかなるだろ」くらいの気持ちで初めてしまいました(笑)。
 という訳で、これはそんな初の改造ソフビ制作に際してとっておいた記録をまとめた物です。では、スタート!

  

■下準備 〜切り刻むの巻〜
 まず、材料となるソフビを用意します。今回は2代目ゼットンなので、用意するのは当然初代ゼットンです。これはもともとスタイルが良かったからか、初発売の83年からシリーズ終了まで、成型色や塗装は変わりながらもずっと同じ形で販売され続けたというツワモノ。
 とはいえ、ここ数年で発売されたフィギュアーツ版などと比べると、やっぱり造形などは緩めにアレンジされています。ですが、元々2代目ゼットン自体が初代をゆるくアレンジしたようなデザインなので丁度いいと言うべきか。
 さて、まず初代と二代目では体型が違うため、角や足などのバランスを変えます。角と足首は一旦切り離し、股関節も切り開いてガニ股になるように調整。股間内部には、筒状にしたプラ板を体型維持+芯にするために仕込みました。次に足首にも、やはり芯にするため、同じように筒状にしたプラ板を入れて接着します。これで基礎加工は終わり。


  

■頭部 〜人形はやっぱり、顔が命ですね♪〜
 角の基部は、二代目は初代よりも短いので、半分ほど切り落とします。次に目ですが、初代が逆五角形に対して二代目は逆三角形をしているので、頭部内部にポリパテを詰めて裏打ちした後、下の部分を切り取ります。その後、エポパテを盛ったり削ったりして、納得いくまで形状を出します。


 

■腕 〜お手てつないで♪〜
 腕は手首を中心に加工。二代目は手がなべ掴みと言うかミットと言うか、ハサミ状になっているので、親指部分を切り離してポリパテを詰めた後、エポパテで新しく作り直します。
 それから手の甲も初代には凸モールドがあるのですが、二代目には無いのでこちらも削り落とします。さらに、右腕は指先に当たる部分をリューターでガリガリ削った後、KOTOBUKIYAのM.S.G『プラユニット 丸モールド』の、2.5mmの奴を埋め込んでゼットンナパームの発射口を作ります。


  

■角 〜角つの2〜本ゼットンどん♪〜
 角は初代の物を芯にして作ります。ライブスーツ(あと参考にした少年リックの巨大ソフビ)を見た感じだと、初代とはかなり角度が違う上に形状にもかなり差があったので、ヒダ(?)の部分だけを活かす方向でエポパテを盛って成型。
 本体との接続には1.5mmの真鍮線を使いました。これでライブスーツのようにブラブラ動くとまではいかなくても、付け根で回転させられる程度のギミックは設けられました。表情がつけられるようになるので、割とオススメです。


  

■胴体 〜わがままボディ目指して 1!2!9!〜
 さて、初代と最もぱっと見で外見に差があると思われるのが胴体です。胸部〜腹部にかけては、今でいうメタボ体型みたいな感じになっているので、胸部と腰周りを中心にパテを盛って造形していきます。
 それから首も太目なので、首の回転は捨てて、頭部〜肩部はエポパテでボリュームアップしました。で、スーツなどを見ると、胸部は胴体から胴当てをつけているような形になっていたので、そこを脇腹などから一段膨らんでいるように造形します。
 背中の甲羅(?)は未加工のまま。スーツは先っぽが割れてズレているのですが、そこまでする必要性も感じなかったので、敢えてそのままにしています。
 スーツはしわくちゃなので、今回は敢えて表面処理をせず、口と胸部の発光部のみ240→600→1000の順にサンドペーパーをかけたのですが、いざサフを吹いて塗装をしてみると大して変わりませんでしたとさ。トホホ。


  

■塗装 〜厚化粧しろー!〜
 塗料は全てクレオスから出てるアクリル塗料のMr.カラー。私は十数年前から、プラモからフィギュアまで塗装にはこれを愛用しています。
 グレーは333番エクストラダークシーグレー(半光沢)に、フラットベースを混ぜて艶消しにしたもの。角と手足の蛇腹部分は8番シルバー(銀)をそのまま。発光部は、最初は角などと同じシルバーの上から49番のクリアーオレンジ(光沢)を塗ったのですが、なんか「コレジャナイ」感じの色になったので、ガンダムカラーのMSイエローを下地に、クリアーオレンジを重ね塗りしました。結果としてかなりリアルな感じに仕上がったと思うんですが、どうでしょ?


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