四凶(しきょう)と呼ばれる怪物の一体。人の頭に羊の身体を持ち、角があり、全身は毛でおおわれ、虎のような牙を持っている。 中国の西南方の荒野で生まれ育ったとされる怪物で、物凄い食欲で何でも食い、自分は働かずに他人の物を奪い取る。しかも強者には媚び、弱者はいじめる。 他にも饕餮の『饕』は財産を貪る、『餮』は食物を貪るを意味していて、『饕餮之徒』という四字熟語は『大食いの人・大食漢』を指す。 ただ、後に『饕餮は魔物すら食べてしまう』という考えが生まれ、魔除けの意味を持つようにもなった。 殷代から周代にかけて饕餮文(とうてつもん)と呼ばれる模様が青銅器や玉器の修飾に部分的に用いられる。 この頃の王は神の意思を人間に伝える者として君臨していた。その地位を広く知らしめ、神を畏敬させることで民を従わせる為に、祭事の道具であるこのような器具に饕餮文を入れたものとされる。 戻る |