コンゴの山岳地帯に暮らすニャンガ族に伝わる怪物。七つの頭に七つの目、七つの角を持っていると言われている。
 牙は犬、尻尾は鷲で、獣竜とも呼ばれている。『ムウィンド叙事詩』によると、普段は森の中でじっとしているが、空腹になると動き回り、村々を襲って人間を喰ったとされる。トゥボンド(Tubondo)という村の英雄ムウィンドに野ブタ(または猪)を捕らえるようにと遣わされたピグミーのハンター3人を丸呑みにした。
 その後ムウィンドはコンガの笏(conga-scepter)と、これまでも幾度と無く奇跡を起こしてきた彼の歌を用いてキリムを倒し、トゥボンドの村の人々がキリムの腹を開けると3人のピグミーのハンターが生きたまま飛び出した。それどころか7つの目を火であぶったところ、過去にキリムに食べられた人々が次々と生きたまま飛び出し、その人数は1,000人にも及び、一つの部族になったという。

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